Amazonランキング大賞2017上半期 ビジネス部門で1位!人類の不幸の原点に迫ります。

アフリカの片隅にいた、取るに足りない存在だったホモ・サピエンスです。

ホモ・サピエンスはある時、言葉を習得します。

言葉
によってもたらせれたのが「認知革命」です。 


「認知革命」とは?

 それは現実世界の客観的な事柄だけでなく、宗教とか昔話とか秩序(社会のルール)、そういった実体のない事物について語れるようになったことです。

いわゆる
「虚構」です。人類はルールや物語を皆んなでシェアできるようになったということです。

そうするとどうなるかって、人類は生きていく上で、共通の目的を持つようになる。

「より豊かになりたい」という概念を共有できると、農作業やモノづくりの生産性が上がりますよね。


本書最大のポイント

「虚構」=「共同幻想」、良く言えば「イマジネーション」、悪く言えば一部の人にとって都合の良い「妄想」が人類発展の推進力となったことです。

虚構のおかげで、私たちはたんに物事を想像するだけではなく、集団でそうできるようになった。

聖書の天地創造の物語や、近代国家の国民主義の神話のような、共通の神話を私たちは紡ぎ出せる。

そのような神話は、大勢で柔軟に協力するという空前の能力をサピエンスに与える。

・・・サピエンスは、無数の赤の他人と著しく柔軟な形で協力できる。だからこそサピエンスが世界を支配できた。

貨幣と資本主義

「虚構」が共同体を作り、共同体は「農業革命」を起こし、それによる人口爆発は帝国を作り、帝国が宗教を作り出しました。

その中でも究極の虚構が
「貨幣」です。

適当なモノをみんなで価値があると信じ込み、欲しいものと交換できれば、それは貨幣となります。

しかも「貨幣」は腐らずどんどん蓄えられます。

そうやってどんどん余剰資本が蓄えられるようになると、儲かった分は労働者や従業員に再分配するのではなく、さらなる増産や開発、研究のために再投資されます。

生産利益は生産増加のために再投資されなければいけない。

こうして無限に富が増幅する資本主義のループが出来上がります。
とりわけ、この動きは西ヨーロッパから出てきます。

しかしなぜ、西ヨーロッパが南米やアジア、アフリカを征服するに至ったののでしょうか?

それはこの地域で「
近代科学」と「資本主義」の二つの考え方が融合したからです。

近代科学と資本主義に共通する点、それは
未知の領域を探検し、その領域を征服したら、飽くことなく次の未知の領域をめざすことです。

消費主義

この決して終わることのない欲望のループ。
このループが止まることは資本家や生産者にとって非常にまずいです。

そこで新たな虚構が誕生します。
それが現代の消費主義です。

「あなたは不足しており、これを買うことによって幸せになれる」
という物語である。

欲しくもないモノを、好きでもない人に見せびらかす為に買わせようとするストーリーです。

こうして人類が歴史は実体のない物語、宗教、信用をベースに発展してきました。

なぜこの本が売れたか?

われわれは、はたして幸福になれたんですかね?
なんだが、文明が発達するほど人類は不幸になっていくような・・・

しかし、なんでこんなサルを解説する本が売れたんですかね?
世界史で一番つまらない章じゃないですか。

この本の面白さはサルの「認知」を他のサルと共有できるようになった話です。

街を出れば広告という名の「虚構」に囲まれ、会社に行けば、「成長」という名の「虚構」を目標とさせられる。

クレジットカードという「虚構」をベースにした決済システムで、好きでもない他人という「虚構」より優位になるために、欲しくもない商品を買う。

そしてSNSという「虚構」のシステムの中でリア充という名の「虚構」の姿を投稿する。

われわれはこの壮大な「虚構」中を生きています。
実はみんな「虚構」に疲れているんですよ。

人類が目指すべき幸せとは?

うんざりするようなこの物語の原点は、どこのあったのでしょうか?
それをひもといたのが画期的でした。

今ままでの歴史書は各人の幸せや苦しみにどのような影響を与えたのかについては何一つ言及していない。

最後に、著者のユヴァル・ノア・ハラリにより幸福の話で仏教の教えが紹介されています。

外部の成果の追求のみならず、内なる感情の追求もやめる。
ただ砂の上に腰を下ろし、波が好きなように寄せて返すのを任せる。


2巻と分量は多いですが文体は読みやすいですよ!
2017年のベストセラーです。まだの人はぜひ〜。