読んだ後に映画を見る目が変わります。

世界中の神話の雛形になっているもの。それは

「旅立ち」→「試練の修行」→「帰還」

なんか見事な円を描いてますね。
 

神話の方程式

古今東西の神話を研究して、ある種の方程式を導き出したのが、神話学者ジョーゼフ キャンベルです。「スターウォーズ」も「ロード オブ ザ リング」も、この方程式に従っています。

神話に登場する主人公は、生ぬるい日常的な世界から、危険な未知の領域に旅たちます。その未知の領域で待つ通過儀礼。瀕死の重傷を負いながらも最終的に勝利する。旅先で授かった、力や知恵を携えて、故郷に帰還する。そして旅で得た、力や知恵を故郷のみんなにシェアする。

これが英雄伝説の方程式です。世界最古の英雄伝説、ギルガメシュの冒険やオデュッセウスの旅、ブッダの修行、イザナギとイザナミの物語。そこから集めた共通項です。

関連記事:自立して幸福になる方法。ジョーゼフ・キャンベルに学ぶ物語の構造

世は成功体験やビジネス書で溢れかえっているが、わたしは小さい頃から映画が大好きだったので、この方程式が自分にとって身近な成功物語でした。

多くのゲーム、小説、漫画アニメがこの「神話の力」からの方程式を参考にしています。いわゆるよくあるヒーロー像ですね。

あらゆる物語は旅立ちから始まります。
実家にいると親からの「物理的な甘え」を断ち切ることはできないですよね。それを断ち切る方法を「旅立ち」と呼びます。

神話って結局なんなの?

それは比喩を使って、生きる上での苦悩や幸福を示唆させてくれるものです。ジョーゼフ キャンベルはそれをわかりやく表現している。

人々はよく生きることの意味を探していると言いますが、人間が本当に探求しているのはいま生きているという経験です。

いま生きているという経験」というのは、つまるところ目的地に向かって旅をしたり、起業したり、我を忘れて運動したり、人助けをしたり、徹夜小説を読んだり、そんなことではないでしょうか。

幸福な人生を送るヒント

それはただひたすら「あなたの至福を追及しなさい」。
無上の喜びを追求したことのない人間。世間的には成功をおさめるかもしれないが、まぁ考えてご覧なさい。なんという人生でしょう。自分のしたいことを一度もできない人生に、どんな値打ちがあるでしょう?
具体的に言うと、親元から離れて好きなことをしよう。自分で考えて、自分で全部決めて、失敗して、孤独になったり、やり方を変えたり、そのうち自分の好きなことが見えてきます。

わたしも一人立ちしたことで、好きなことを見つけたり、新しい仲間を作ったり、成長するような体験を積めましたよ。もちろん、ピンチに陥ったこともありました。


現代の神話とは?

現代の人類を支えている神話は「成長」「消費」です。

それは企業に勤めて、資本を成長させるという物語です。そしてこの「成長」は「消費」が前提となっています。

いい学校行って、いい会社に入って、結婚して、子供を作って、出世して、給料を上げて、テレビや車を買い替えながら、マイホーム買って、定年まで勤めて、老人ホームに入って、死んでいく。

別にこれは悪いことではないですよ。

良くも悪くもこの物語が「成長」と「消費」を支えるエンジンとなっていました。ついこの間まで、ある世代はこの物語を唯一の幸せとして信じて生きてきました。

どこか御膳たてされた世界ですね。あらかじめシナリオが決められたような物語です。

1000年後の神話

ところが近年テクノロジーの急速な進化により、この物語が壊れようとしています。

インターネットの発達により、個人でも仕事が完結できるようになり、共同作業はクラウド上で行い、AIによる単純労働の自動化、シエアリングエコノミーを前提とした過度の消費を必要としない社会が出現しました。

「企業」「組織」や「集団」が支える神話が時代遅れのものとなり、
再び荒野に放たれた個人の時代のなろうとしています。

1000年後の人類はこの時代をどんな物語として記憶するのでしょうかね?

All the gods, all the Heavens, all the Hells are within you
- あらゆる神々も天国も地獄も私達の内にある。