信用の革命

本書がすごいのは、次の3つの観点で読者を導いてくるからです。

「今までは何がダメだったのか?」
「ブロックチェーンはそれをどう解決するのか?」
「その結果、世の中はどう変わるのか?」

技術的なことより、世の中がどうなるのか?
まさ一番知りたいところですよね?
超おすすめの本です。

ブロックチェーンについて、ざっくりまとめてみました。
今後、数十年に渡って社会や生活に影響を与える技術ですよ。
それはSNSでもIoTでもなく人工知能でもないです。

ビットコインが注目されがちだが、その取引の根幹を動かす技術、
ブロックチェーンが今注目されています。

ビットコインはブロックチェーンを使って取引すると、理解すれば良いです。ブロックチェーンを使って、他にも色々なもの動かせます。
例えば土地権利、音楽の著作権、そしてもちろん仮想通貨です。

そもそもブロックチェーンって何?

取引履歴を格納する、分散型の管理台帳です。

「ブロック」に取引の履歴を格納する。
「チェーン」は前回の履歴を暗号化したデータです。

「ブロック」は必ず前回の取引に対応した「ブロック」同士を「チェーン」で繋ぎ、お互い整合性を保っています。しかも「ブロック」には個人の取引履歴だけではなく、ネットワーク内で発生した、全ての履歴が格納されています。ここまでが台帳ですね。

よくあるデータベースとどう違うのか?

一箇所にあるサーバー内の、1つのデータベースを共有するんじゃなくて、ネットワークの参加者全員が同じデータベースを持っていて、誰かが取引すると、全員分のデータベースが同時に更新されるイメージです。

そうやってデータの信ぴょう性を保っています。つまり中央集権的な管理者がいないのです。参加者みんなで、データの正当性を確認します。これが分散ということです。

中央が不在なんて、そもそも可能なの?

前提となるの技術が、P2Pネットワークです。要するに特定のサーバーを介さないで、個人間で直接通信できる仕組みのことです。だから、中央の管理者がいらない。しかも、サーバーがダウンしても、ハックされても、ユーザー全員が同じ情報を持っているのでリスクに強いです(分散されている)。この部分が管理。みんなで管理することですね。

ブロックチェーンの何が良いか?特徴を3つあげると。

・データを管理する「中央」が不在
個人間で分散管理する。

・不正ができない。(技術的、時間的に面倒)
ハッキングするぐらいならルールに従った方が得。

・個人間で取引できるので、コストがかからない。
手数料がタダor安い。

インターネットは情報の革命と言われているが、ブロックチェーンは信頼の革命となります。価値の交換を根本から変える技術ですよ。

人間の性

実は、この技術の誕生の背景には、人間らしさがあるのです。

それは人は根本的に他人を信用しないということなんです。

価値を交換するには、相手が信用できないといけません。しかし、社会では、取引できる相手のことを信用できないから、それを保証してくれる機関が存在します。例えば銀行、会社、政府、クレジットカード会社などですね。

今ままでは、一箇所の機関に情報を集めて、その管理を代理人に任せて、その費用に手数料が取られていました。これが従来の一般的なモデルです。要するに中央があって全部中央を通さないと「信用」が担保できないとうことです。

しかし、一箇所に情報を集めると、そこにリスクが生まれます。

「中央」がデータを改ざんしたら?
「中央」のデータがハッキングされたら?
「中央」が個人データを勝手にマーケティングに利用したら?

機関というのは「高コスト」なんですね。
でも、もし代理店を中抜きして、個人間で直接取引できたらどうでしょう?

人類史上初めてお互いのことを信用しながら個人間で取引ができる。

それをテクノロジーの力で担保してくれるのが、ブロックチェーンです。

なぜできるかと言うと、そもそも「お互いのことを知らなくいいから」です。個人情報は暗号化され、データは分散化され、履歴の改ざんは不可能の近い仕様です。絶対不正ができないという前提(テクノロジー)があってこの「信用」が担保できているのです。

「相手のことが信用できない」という人間の性が、まさにブロックチェーンの存在意義なのです。

徹底的にオープンで、徹底的にプライバシーを尊重するという、一見矛盾するように見えるブロックチェーンの性質。

個人主義と大規模コミュニティーの奇妙な融合。個々の参加者は自分の利益を追求しているのに、その行動がコミュニティー全体を維持している。

ブロックチェーンが誕生した、社会的な背景ってなんでしょうか?

インターネットは確かに社会を豊かにしました。しかし、同時に一部の巨大企業を生み出し、格差にむしろ広がりました。世にはびこる、格差、貧困、テロ、憎しみや、差別はむしろインターネット後に増大しました。

インターネットは富を分配するより、一部の人や企業に富を集中させるシステムを作るのには好都合だったのです。インターネットは当初、フラットな議論をできる場として期待されましたが、似た様な過激な意見や思想をもつ者を集める結果となりました。

ユーザーは無料なサービスを使用する代わりに、巨大企業に勝手に個人データを収取され、マーケティングデータに利用されています。

airbnbやuberは厳密にはシェアしていないません。集中プラットホームに提供者のデータ集めて、欲しい人に転売して、手数料を取っているだけです。むしろシェアしていないから儲かっているとも言えます。

富を再分配するより、あらかじめ分配できないか?
本当の意味でシェアできるようにならなか?
個人データの秘匿が保証されたら?

自分たちが欲すれば、このような未来はもはや不可能でないのです。

相手を信用しなくても、データとネットワークを信用できる仕組みです。

人は悪意と欲望に満ち、信頼できない存在です。ブロックチェーンの特徴を知れば知るほど、このテクノロジーによって人間の性が浮き彫りになります。
皮肉にも人の善意ではなく、相手を信用しないことこそ、まさにブロックチェーンの原動力になっています。

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